ライフスタイルに合わせたフレキシブルな家

あなたの家族の5年後、10年後、30年後はどうなっているでしょう?月日が経てば家族の年齢は変わります。それに伴って家族構成や住み方も変化していきます。せっかく建てた家ですから、できるだけ長く、より快適に暮らしたいもの。そこで新築の間取りを決める前に、まずは家族のライフスタイルやライフプランを思い描いてみることが大切です。ちょつと立ち止まって、家族のことを考えてみませんか?

家族構成や住み方は時とともに変化していきます。30年以上も先のことなんて…と思われるかもしれませんが、「家」という買い物は何度もできるものではありません。お腹の中にいた子どもが数年経てば小学生に、そして中学生、高校生に成長して、20年もすれば大学生あるいは社会人になっています。
息子や娘が独り立ちすれば家族は何人になるでしょう?定年を迎えた夫婦は毎日をどのように過ごしているでしょう?夫婦それぞれが何を趣味とするかによっても暮らし方はまるで違います。間取りは先々のことまで考えたプランにしなければ、家族の変化によって使いづらい家になってしまうのです。

ライフスタイルに合った間取りを考える

そこで考えていただきたいのが家族のライフスタイルです。人によって暮し方はさまざまですから、ライフスタイルもさまざまです。生活パターンや家族構成をよく考えて間取りを決めることが大切です。
具体的に考えるには、「白分たち夫婦がおじいさん、おばあさんになった時はどの部屋をどのようにして使いますか?息子夫婦はどこで暮らしますか?」と自問白答してみてください。「もし息子夫婦が同居することになったら、これまで駐車場だったところを和室にして暮らしたい」「定年したら庭いじりに精を出したい」「縁側でくつろぎたい」など、少し思い描いてみるだけで新築の間取りを考える上で参考になるでしょう。

きっちりとライフプランを決めなくとも、漠然と思い描くだけで十分です。家族構成や暮らし方の変化に伴ったある程度の改築には対応できるように考えておくとよいでしょう。例えば、将来は子ども部屋として使用する部屋も、区切って小さな個室にしてしまうよりは、2部屋分を通して広々と利用して、子どもが成長したら壁で仕切りを設けられるように設計しておくと良いでしょう。それぞれの出入り口や物入れをあらかじめ設けておけば、後で壁を設置するだけの簡単なリフォームで済みます。また介護のこと、車いすのことなどを考えれば、廊下の幅や出入り口の幅、トイレや浴室などは広めに確保しておくと安心です。

フレキシブルな「家づくり」を

重要なのは、家族構成や暮らし方の変化に耐えられるプランであること。新築にあたっては数十年後までのリフォームを見すえておくことです。広々とした子ども部屋が、数年後には2つの個室になって、数十年後には納戸になったり、書斎になったり、また広々とした空間に戻して夫婦の趣味室になったり…。変化に柔軟に対応できるフレキシブルな家づくりを心がけることが、家を長く、より快適に使うコッ。用途を変えられる間取りであればそれが十分可能なのです。10年後、20年後、30年後の家族はいったいどうなっているのかー。新築の間取りを考える時、家族でシミュレーションしてみましょう。

収納家具の利用で特別な部屋に

子ども部屋やリビング、和室、寝室、クローゼットなどを仕切る建具もより利用しやすく、デザインもスタイリッシュになりました。例えば、LDKのコーナーに開閉方式の間仕切り壁を設ければ、特別なひと部屋が生まれます。閉め切れぱ個室に、開け放てば広々と使うことが可能なので、部屋の一角を間仕切るだけで用途が広がるでしょう。
また、間仕切りのフリーウォールを取り付けることで1部屋を2部屋にしたり、家族構成や暮らしに応じて開け放ったり、子どもが遊ぶ時と勉強する時とで部屋を変えることもできます。広々と使っていたリビングをフリーウォールを閉めることで白分だけのプライベート空間にすることもできます。
このように収納家真や建具を利用することで、用途に合ねせて白由に間取りをアレンジできるようにしておくこともフレキシブルな家づくりのために大切な手段です。

実際に、数年後、数十年後のことを考えるのは大変なことかもしれません。でも、できるだけ家の構造を変えずに、大きな工事をしなくて済むような家になるよう考慮しておけば安心でず。ここでは、子どもが0歳〜小学生の場合の基本プランをもとに、数年後にはどうしたいのか、数十年後にはどのように暮らしていたいのかを思い描きながら、リフォームを見据えた間取りを考えてみましょう。